離婚を考え始めたとき、あるいはすでに話し合いが進んでいるとき、「誰に相談すればいいんだろう?」と悩む方は少なくありません。インターネットで検索すると、弁護士、行政書士、司法書士など、様々な専門家の名前が出てきて、かえって混乱してしまうこともあるでしょう。

「結局、私には誰が必要なの?」

そう思われたあなたのために、ここでは弁護士行政書士に焦点を当て、それぞれの専門家が離婚問題においてどのようなサポートをしてくれるのか、そしてあなたが「失敗した!」と後悔しないための専門家選びのポイントを、行政書士である私の視点から解説します。


1. 離婚問題における弁護士の役割と得意分野

まずは、皆さんが最もイメージしやすいであろう弁護士の役割から見ていきましょう。

1-1. 弁護士に依頼できること

弁護士は法律の専門家であり、離婚問題においては以下のような広範なサポートが可能です。

  • 交渉の代理(相手方との直接交渉): 相手方との間で財産分与、養育費、慰謝料などの交渉をあなたに代わって行います。感情的になりがちな直接交渉を避けることができます。
  • 調停・訴訟の代理: 協議離婚が難しい場合、家庭裁判所での離婚調停や、それが不成立に終わった場合の離婚訴訟において、あなたの代理人として手続きを進め、法的主張を代弁します。
  • 強制執行の手続き: 相手方が養育費や慰謝料の支払いを滞らせた場合など、法的な手段を用いて強制的に支払いを求める手続き(強制執行)を行うことができます。
  • あらゆる法律問題への対応: 離婚に付随する複雑な法律問題(例えば、不貞行為に関する損害賠償請求など)にも対応できます。

1-2. 弁護士が向いているケース

弁護士への依頼が特に有効なのは、次のようなケースです。

  • 相手方との話し合いができない、拒否されている
  • 相手方と直接顔を合わせたくない
  • 感情的・暴力的な言動があり、法的な介入が必要
  • 財産分与や養育費、慰謝料などの金銭的な争いが大きい、または複雑
  • 親権や面会交流について激しく争っている
  • すでに裁判を視野に入れている

2. 離婚問題における行政書士の役割と得意分野

次に、私のような行政書士は、離婚問題においてどのようなお手伝いができるのでしょうか。

2-1. 行政書士に依頼できること

行政書士は、官公署に提出する書類や、権利義務・事実証明に関する書類の作成を専門とする法律の専門家です。離婚問題においては、主に以下のようなサポートを提供します。

  • 離婚協議書・公正証書原案の作成: 夫婦間で合意した内容(財産分与、養育費、親権、面会交流など)を、後々のトラブルを防ぐために法的に有効な書面(離婚協議書や公正証書)として作成します。
  • 各種合意書・示談書の作成: 離婚に至るまでの様々な合意事項を文書化します。
  • 戸籍謄本などの収集サポート: 離婚手続きに必要な公的書類の収集をお手伝いします。
  • 手続きに関する相談: 離婚手続き全般の流れや、必要な書類、準備すべきことなどについて具体的なアドバイスを行います。
  • 内容証明郵便の作成: 相手方への意思表示を明確にするための内容証明郵便の作成をサポートします。

2-2. 行政書士が向いているケース

行政書士への依頼が特に有効なのは、次のようなケースです。

  • 夫婦間で基本的な合意ができている、または話し合いができる状態にある
  • 取り決めた内容を法的に有効な書面として残したい
  • 将来のトラブルを予防したい
  • なるべく費用を抑えたい
  • 冷静に、穏便に手続きを進めたい

※重要※ 行政書士は「紛争(トラブル)解決」を目的とした交渉や裁判の代理はできません。あくまで合意内容の書面化や手続きのサポートが中心となります。


3. 専門家選びで失敗しないための3つのポイント

弁護士と行政書士、それぞれの役割が明確になったでしょうか。ここからは、あなたが後悔しないための専門家選びのポイントを3つお伝えします。

ポイント1:あなたの「状況」と「ニーズ」を明確にする

まずは、あなた自身が「どうしたいのか」「何に困っているのか」を整理してみましょう。
最も大切なのは、今のあなたの離婚の状況と、専門家に何を求めているのかを具体的にすることです。

  • 「相手と一切話したくない!」「法的に争ってでも権利を主張したい!」 → 弁護士が適しています。
  • 「夫婦で話し合いはできているから、書面をしっかり残したい」「複雑な争いはないけれど、手続きが不安」 行政書士が適しています。

ポイント2:無料相談や初回相談を活用する

多くの専門家が、無料相談や初回相談を実施しています。これを積極的に活用しましょう。

  • あなたの状況を説明し、**「私のケースでは、どの専門家に、どんな依頼をすれば良いのか」**を直接尋ねてみましょう。
  • 複数の専門家に相談することで、それぞれの専門家の雰囲気や説明のわかりやすさ、費用などを比較検討できます。
  • 相談時に、ご自身の要望が叶えられるか、費用はどのくらいかかるのかなどを具体的に確認しましょう。

ポイント3:相性も重要!「信頼できる」と感じる専門家を選ぶ

専門家との関係は、時にはデリケートな離婚問題を相談する上で非常に重要です。

  • 説明が分かりやすいか?
  • 親身になって話を聞いてくれるか?
  • 質問しやすい雰囲気か?
  • 費用体系は明確か?

これらの点も考慮し、あなたが「この人になら安心して任せられる」と思える専門家を選びましょう。いくら優秀でも、コミュニケーションが取りづらかったり、信頼できないと感じたりする専門家では、スムーズな解決は難しいかもしれません。


まとめ:あなたの状況に合った専門家を選び、新たな一歩を

離婚は、心身ともに大きなエネルギーを消耗するものです。だからこそ、適切な専門家のサポートを受けることで、その負担を軽減し、より良い未来へと進むことができます。

弁護士と行政書士は、それぞれ異なる得意分野と役割を持っています。あなたの現在の状況と、専門家に何を求めているのかを明確にし、初回相談などを活用して「信頼できる」と感じる専門家を見つけてください。

私も行政書士として、皆さんの離婚に関する書類作成や手続きのサポートを通じて、少しでもお力になれれば幸いです。もし、どの専門家に相談すべきか迷ったら、まずはお気軽にご連絡ください。あなたの状況に合わせた最適なアドバイスをさせていただきます。

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